Raspberry Pi 3(Raspbian)にmpd 0.20をインストールする

ようやく、ちょっとだけですが、試すことができました。

mpd 0.21では、ビルドするツールがautotoolsからmesonに変わっていますので、本記事の内容は参考になりません。

Raspbianのインストール

基本的には、Raspberry Pi公式サイトから、Raspbian Stretchのイメージをダウンロードして、SDカードに書き込むだけです。
SDカードへの書き込みは、Ethcerというツールが便利だそうです。

mpdのインストール

Raspbianを起動したら、もろもろ設定を行って、aptでmpdをインストールします。このへんは、本Webサイトの他のページなどを参照してください。
とりあえず、この段階で、音楽を再生できることを確認しておくと、あとの手順で詰まった時の検証が楽だと思います。

mpdをビルドする環境のインストール

Raspbianだからか、Debianだからかはわかりませんが、

apt-get build-dep mpd

が使えなかったので、パッケージを一つずつインストールしないといけません。
ということで、mpdの公式サイトの Compiling from source の手順に従います。

sudo apt-get install g++ \
  libmad0-dev libmpg123-dev libid3tag0-dev \
  libflac-dev libvorbis-dev libopus-dev \
  libadplug-dev libaudiofile-dev libsndfile1-dev libfaad-dev \
  libfluidsynth-dev libgme-dev libmikmod2-dev libmodplug-dev \
  libmpcdec-dev libwavpack-dev libwildmidi-dev \
  libsidplay2-dev libsidutils-dev libresid-builder-dev \
  libavcodec-dev libavformat-dev \
  libmp3lame-dev libtwolame-dev libshine-dev \
  libsamplerate0-dev libsoxr-dev \
  libbz2-dev libcdio-paranoia-dev libiso9660-dev libmms-dev \
  libzzip-dev \
  libcurl4-gnutls-dev libyajl-dev libexpat-dev \
  libasound2-dev libao-dev libjack-jackd2-dev libopenal-dev \
  libpulse-dev libroar-dev libshout3-dev \
  libsndio-dev \
  libmpdclient-dev \
  libnfs-dev libsmbclient-dev \
  libupnp-dev \
  libavahi-client-dev \
  libsqlite3-dev \
  libsystemd-dev libwrap0-dev \
  libcppunit-dev xmlto \
  libboost-dev \
  libicu-dev

を実行して、mpd依存のパッケージをインストールします。
なお、これらの開発環境と依存パッケージのインストールに小一時間はかかると思います。

mpdのソースコード取得とビルド

これも、基本的には、mpdを最新バージョンにすると変わらないので、そちらを参照してください。

mpdの設定ファイルのバックアップ

mpdは0.20になって、ちょっとだけ設定ファイルの項目が変わっているので、念のため既存のmpd.confのバックアップを取っておくことをお勧めします。

mpd.confの設定

Ubuntu 16.04にmpd 0.20をインストールするのページにも書いていますが、0.20で新たに追加された設定項目があります。必要があれば、mpd.confを書き換えてください。

mpdの停止

sudo service mpd stop

を実行して、稼働中のmpdを停止させます。

systemd設定ファイルの書き換え

これも、Ubuntu 16.04にmpd 0.20をインストールするのページに書いているとおりです。起動スクリプト中のmpdのパスを、

/usr/bin/mpd

から

/usr/local/bin/mpd

に書き換えます。

mpdの起動

以下を実行して、mpdを起動させます。

sudo service mpd start

コンソールから以下を実行して、バージョン0.20が戻ってくれば、正常に動作しています。

mpc version

ついでにmpdscribbleもインストールする

mpdは、バージョン0.18あたりから、last.fmへのscrobble機能が削除されています。last.fmのscrobble機能は、自分の趣向を客観的に見ることができて、意外と便利だったりします。
で、apt で mpdscribble が提供されているので、これをインストールします。

sudo apt-get install mpdscribble

を実行してインストールします。 設定ファイルは、

/etc/mpdscribble.conf

です。
設定ファイル中の

[last.fm]
url = http://post.audioscrobbler.com/
username = 
password = 

の箇所を編集するだけです
usernameは文字通りログインユーザー名。
パスワードは平文では受け付けません。
コンソールで

echo -n "パスワード" | md5sum | cut -f 1 -d " "

を実行して、パスワードのハッシュ値を求めそれを入力します。
あとは、

sudo service mpdscribble restart

で、mpdscribbleを再起動させます。
syslogもしくは、

sudo systemctl status mpdscribble.service

で、mpdscribble 動作状況を確認します。

タイムゾーンを日本にする

Raspbian は、初期状態では、タイムゾーンがUTCになっています。
JSTに変更するには、以下を実行して、Asia から Tokyoを選びます。

sudo dpkg-reconfigure tzdata